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2009.04.26

古きを知る

私のおばさんは帽子デザイナーです。
日本の巨匠、世界的帽子デザイナーの平田暁夫に師事し数年帽子を学んだそうです。
2〜30年前、私や私の母にプレゼントしてくれた帽子が家にあります。
長い事開けてなかった帽子の箱がたくさん。
赤と黒の丸い大きな帽子の箱を開けると、可愛らしい帽子が。
若かったおばさんが帽子に乗せた夢が、どの箱からも飛び出してきました。

そんな可愛らしい帽子達も少し年をとって、コサージュやリボンが黄色に染まっていました。
母に頼まれ、帽子を3つだけ綺麗に仕立て直す事にしました。

リボンもコサージュもエッジのグログランも外し、すっかり素顔の帽子。
そんな時、涙が込み上げたんです。
おばさんの一針一針丁寧な手作業を見て。
この一針を縫った頃、何を思ってたんだろうとか、どんな思いでこの帽子を作ったんだろう、とか。
そして平田先生のどんな手捌きを見て習ったんだろう、先生が日本に持ち込んだパリの帽子を目の当りにした時、どんな感動があったんだろう。
そんなことを思いながら、その糸を私は解いて、切っていきました。

帽子はどんどん解体されるけど、この大事な想いは残そうと思いながら。
後で私がまた綺麗に繋げるからね!って思いながら。

解体していくと、一つ一つの折り目や、縫い方、材料の使い方に私の知らない製法や、今ほとんど使われていない材料を見ることができたんです。
なんでこの縫い線があるのか...でもきちんとその先に理由があるんです。
古い物から、学びました。感動しました。
何でもそうだけど、昔の物をじっくり見て調べて行くと、その背景や技術が少し分かる気がする。知らない事がいっぱいあってもっと知りたくなる。

私が帽子を始めた3年前、おばさんから帽子の木型や本、花ごてをたくさんもらいました。そして、またおばさんからの大きな感動のプレゼントを貰った気がします。
この3つの帽子も今日、新たな顔になります。
完成したらおばさんに見せに行きたいと思います。

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